パチンコ店で６３０万円強奪事件

１２日午前０時５５分ごろ、裾野市千福のパチンコ店で、２階事務所から外に出てきた男性店長（３５）に男が刃物を突き付けて脅し、売上金など現金約６３０万円を奪って逃走した。店長にけがはなかった。裾野署が強盗事件として捜査している。同署は、男が事務所の位置を把握していたことなどから、店の事情に詳しい人物の可能性も視野に、行方を追っている。
　同署によると、男は業務を終えて店外に出た店長に刃渡り約２０センチの刃物を突き付け、事務所に向かうよう促した。金庫の現金を事務所内にあった黒いハンドバッグに入れさせた後、近くにあった携帯電話の充電コードで店長を後ろ手に縛り、バッグを奪い逃走した。自力でコードをほどいた店長が「強盗に遭った」と１１０番した。
　パチンコ店は１階が店舗で２階が事務所。店舗は午後１０時半までの営業で客はおらず、他の従業員も午前０時には退勤していたため、発生当時、事務所にいたのは店長１人だった。店長が事務所の外階段を使って駐車場に下りたところ、男に脅されたという。
　事務所内には防犯カメラが設置されていて、同署が映像の解析を進めている。男は身長１７０センチくらいの中肉。上下黒のジャージー姿で、ベージュのニット帽と白いマスクを着けていた。

　■未明　人通り少なく
　裾野市千福のパチンコ店で１２日未明、帰宅しようとしていた男性店長（３５）が脅され、売上金など約６３０万円が奪われた強盗事件の現場は、裾野市役所から北西に約２キロの民家や会社が点在する地区で、国道２４６号が近くを通る。街灯は少なく、事件発生時刻の午前１時ごろは、人通りはほとんどないという。
　同日、警察の聞き込みで事件を知ったという近所の８０代の男性は「夜になると真っ暗で静かな場所。近隣の人もよく行く店なので早く犯人が捕まってほしい」と早期解決を願った。無職の女性（７１）は「これまで大きな事件は聞いたことがないので怖い。戸締まりをしっかりしたい」と不安を口にした。